[10日 ロイター] - <為替> 円安が進み、対ドルで一時119.61円と1カ月ぶりの円安水準をつけた。米国債利回りの上昇がドル買い、円売りを誘ったという。またユーロはギリシャ問題をめぐる不安から値下がりした。
シチズンズ・コマーシャル・バンキング(ボストン)のグローバル・マーケッツ部長、トニー・ベディキアン氏は「利回り動向を背景に、長期的なドル高トレンドは引き続き可能とみられる。米経済はユーロ圏経済などと比べて良好で、市場では50%の確率で夏場時期の米利上げを織り込んでいるが、結局のところは指標内容次第だ」と述べた。
ドル/円JPY=は0.6%高の119.46円。ドル指数.DXYは0.3%高。ユーロ/ドルEUR=は0.1%安の1.1315ドル。
<債券> 米国債価格が下落し、指標10年債利回りはおよそ1カ月ぶりに節目の2%を上回った。投資家の間では、今年半ばの利上げ開始に向けた動きが広がった。
トムソン・ロイターのデータによると、指標10年債US10YT=RR利回りは一時、1月9日以来の水準となる2.016%に上昇。直近では1.9897%、価格は12/32安となっている。30年債US30YT=RR価格は1─2/32安、利回りは2.5699%。一時は2.596%まで上昇した。
金利動向に敏感な短期債も売られた。5年債US5YT=RRは2/32安、利回りは1.5021%。
<株式> 反発して取引を終えた。ギリシャ債務問題で欧州の安定につながるような合意ができるとの期待が相場を押し上げた。時価総額が米企業で初めて7000億ドルを超えたアップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)にも買いが集中した。
アップルは10日、スイスフラン建て社債を発行し、時価総額が7000億ドルを超えた。これが好感され、同社の株価は1.9%上昇した。
<金先物> ギリシャ債務不安を背景とした前日の買いが一服し、中心限月4月物は前日終値比9.30ドル安の1オンス=1232.20ドルと反落した。中心限月としては1月9日以来、約1カ月ぶりの安値。
<米原油先物> 世界的な供給過剰懸念の広がりを受け、4日ぶりに大幅反落した。米国産標準油種WTIの中心限月3月物は、前日終値比2.84ドル(5.4%)安の1バレル=50.0 2ドルで終了。4月物は2.74ドル(5.1%)安の50.93ドルで引けた。